代表取締役 島田 和一
今年創業50年を迎えたタカラレーベンは、2022年10月1日に持株会社体制へ移行し、MIRARTH(ミラース)ホールディングス株式会社へ商号を変更いたしました。そしてタカラレーベンは、本社が東京、仙台、松山・福岡に分かれていた3社を1つに集約し「新生タカラレーベン」となりました。地域に根付き、不動産事業を通して貢献するという大きな使命は何ら変わりませんが、個々で養ってきた英知を集結し、当社グループシナジーの最大化を図っていきます。
私が入社した1987年以降を振り返ってみても、バブル崩壊、事業の失敗など、いろいろなことがありました。リーマンショックが起きた2008年、当時を振り返ると恐怖でしかありません。その煽りを受けて、たった1年の間に同業者が次々に倒産するのを目の当たりにしましたから。実際、『次は、タカラレーベンじゃないか?』と言われるほど、ひどい状況でした。しかし、『ここで逃げたら終わり』、そう思いましたね。本音を言うと守りに入りたい気持ちもありましたが、それでは会社は伸びないし、社員も幸せにできない。残された道は『挑戦』しかなかったのです。
何が起こるかわからない世の中で、マンション事業だけに依存していたら会社は潰れてしまう。そんな危機感から、この10年でマンション事業を主軸として不動産領域の拡大に努めてきました。太陽光のエネルギー事業やホテル事業、地域活性化のための再開発事業など、どの事業にも土地が必要ですから、そこを発展させてきたわけです。
私がよく社員に伝える言葉があります。それは、『現状維持は後退』。窮地に立たされたあのとき、逃げずに前へと進んだことで、会社も社員も守ることができました。最後まで諦めずに乗り越えられたからこそ、今があります。そして、その経験を経て強くなり、「新生タカラレーベン」として新たなステージに挑めるのだと思っています。
タカラレーベンの歴史は、この会社で30年以上走り続けてきた私の人生と重なるものがあります。それは、私の人生観でもある『挑戦し続ける』ということ。年齢を重ねると守りに入る人が多くなりますが、それなら私は引退したほうがいいと思っています。チャレンジすれば、いいことも悪いこともある。悪いことが起きるのは、誰だって嫌なものだし、私だってそうです。だからといって挑戦しなければ何も起こらない。先にも述べたとおり、成長できないわけです。
ときには、この世の終わりを感じるほど、困難な壁にぶち当たることもありますが、そのときに逃げるか逃げないかで、その先の人生が変わってくる。私は逃げずに堂々と立ち向かって乗り越えたい。そうすると、その先に見える景色が素晴らしいものになるし、成功体験がクセになるというか、ワクワクした気持ちで仕事ができます。私はもともとポジティブな性格なので、実現させたいことがあれば、リスクを心配するよりも行動するタイプ。
ただ、前向きに捉えすぎて失敗することもありました。まわりには「もうちょっと考えろ」って思われているかもしれませんが(笑)、人は失敗を重ねて成長していくもの。頭の中で「これはダメだな」とネガティブに考えて動かないのではなく、まず行動することが大切だと思っています。
ビジネスにおいては、常に先を想定しながら事業展開することが企業を守り、業績にもつながります。誤った想定や判断をしないためにも、現場のリサーチが欠かせません。だからこそ、時間をつくってマンションギャラリーや土地を見に行くようにしています。ふだんは本社にいるので、現場を見て自分の感覚が鈍らないようにしておきたいのと、営業担当者からお客様の動向やニーズを直接聞きたいというのが理由です。
例えば、我々の都合で土地を仕入れて、お客様の暮らしを勝手にイメージしたマンションをつくったら、お客様が欲しいと思わないものになってしまう。そんなミスマッチを起こさないためには、お客様のニーズをしっかりと把握して、『このマンションが欲しい』と思っていただけるものをつくらなきゃいけない。そういう意味で、現場の実態を知ることはとても重要なんです。
最近は感染症対策で、ライフスタイルだけでなく、ワークスタイルも変わってきました。
それに伴い、住まいのことを考える人が増えてきています。なかには生活拠点を2カ所にする人も。そういった変化を見逃さずに、お客様のご要望や考えを理解したうえで住宅を供給できる人材が必要であると、これまで以上に感じています。
最近の若い人は失敗を恐れて守りに入る傾向が多いそうですが、それでは何もしていないのと同じ。チャレンジして失敗してもいいんですよ。学ぶことがたくさんあるから。そして逃げずに向き合う。その繰り返しが人を成長させるんだと思います。
「止まない雨はない」というように、人生悪いことばかりじゃない。だから、小さなことでもいいから何か1つ目標を決めて、それを果たせたときの達成感や満足感を味わってほしい。「頑張ればこんなに楽しいことがあるんだ」、「こんなにワクワクするんだ」と、ぜひ実感してもらいたいし、その成功体験がクセになって次の行動への原動力になるはずです。
仕事の面白さや会社の魅力を知るまでには時間がかかります。自分らしく働けるようになるのは、さらに先。でも、すべては自分次第です。困難なことにも立ち向かっていけば、必ず成長できます。
そのために、私たちがするべきことは、新入社員にはただ教えるのではなく、いろいろなことにチャレンジしてもらえるような環境づくり。楽しんで仕事をしてほしいから、ワクワクできて、喜びを分かち合える企業文化をつくらなければいけないんです。若手の頑張りを止めるようでは人が育たないし、そういった会社に未来はない。だからこそ、出る杭を打つのではなく「出る杭をどんどん伸ばす会社」でありたいですね。
「新生タカラレーベン」の未来を創り上げていくのは、これから入社されるみなさんです。さらなる成長へと導く存在になってくれることを期待しています。
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