第三者意見

第三者意見

社外取締役 谷口 健太郎 社外取締役
谷口 健太郎

タカラレーベンは、創業50周年を迎えます。これまで「幸せを考える。幸せをつくる。」という企業ビジョン、「共に創造する」という企業ミッションのもと、進むべき道を明確に宣言し歩んできています。創業50周年を迎えるに当たり、そのビジョンに「ライフスタイルに、新常識を。」というスローガンが加わりました。

昨今、企業理念や企業ビジョンの表現の仕方にパーパス経営というものが社会から求められています。企業理念や企業ビジョンを見直すということではなく、改めて「タカラレーベンが社会から求められているものはなにか」「タカラレーベンが社会に存在する意義はなにか」という社会からの問いに理念やビジョンに照らし合わせて明確に答えていかなくてはならないことが求められているのだと思います。

近代資本主義は、産業革命を経験し、ヨーロッパからアメリカ大陸そしてアジア、アフリカへと常に新しいフロンティアを探し続け、より遠くへ、より速く進み蒐集していくことで常に拡大再生産を要求して成長してきました。ただ、新しいフロンティアが出現することのない今、社会が成熟し始めて、拡大再生産を続けていくということが難しくなり、成長のスピードが先進国であればあるほど鈍化してきている中であっても、人類は新しい幸せを見続けていかなくてはならなくなっています。

ドイツの若き哲学者のマルクス・ガブリエルが、人類が迷っている資本主義の次にくる新たな形について語っています。これまでの利益追求の資本主義から利益を出しながらも世の中のためになっていく倫理資本主義という考え方です。儲けなくてよいというのではなく、なんのために儲けていくのかという目的がより一層大事になっている世界になるのだと思います。

このような世界の中で、SDGsという考えが纏められ、そこで求められているものは、お客さまをはじめ、株主・取引先・従業員・社会そのものという全ステークホルダーから求められているものと思います。皆の共通認識となり始めた持続可能な社会をどう創造していくかを実現するために生まれたのがSDGsだと思います。単に、企業ビジョンを創るのではなく、単にSDGsに参加するのではなく、目的に向かって実行してこそ意味のあるものであることは間違いありません。

SDGsというものも言葉としては新しいものですが、皆が幸せであり続けるためにどう社会に貢献していこうかという概念としては、本来人間が持っている思いやりや人のために何か役に立った時の喜びにつながるのだと思います。タカラレーベンがもともと企業ビジョンとしている「幸せを考える。幸せをつくる。」や「共に創造する」という企業ミッションを通じてそれらが実現していけるものと思います。

タカラレーベンのCSRの活動の中で、マンションを単なる「ハコ」ではなく、ライフスタイルそのものと定義して、「価値あるライフスタイルの創造」「コミュニティの形成」「高品質で快適な空間の提供」「環境・文化の醸成」というテーマに分解して進めていることで、タカラレーベンの企業活動そのものがCSRという社会貢献を行っていることになり、ゴールのない社会に貢献し人々を幸せにし続けるというベクトルに沿って創業50周年で新たに加わった「ライフスタイルに、新常識を。」というスローガンのもと、実行し活動し続けることがSDGsの概念そのものに近づいているのだと思っています。